漂流博士

仕事は仕事、人生は違うところにある。

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収穫の秋、研究の秋

フリーになって最大の仕事テレビコーディネートが終わったら研究を、などと思っていた矢先にドカドカと結構な仕事が入り込み、結局9月に入っても狩の日々、船長と二人三脚ようやく仕事が一息。漂流一家はサバイブできる程度の一ヶ月の目標値を立てているのだが、漂流博士として船出して3ヶ月近く、幸いにもこれまで何とかその目標値を達成。私たちを選んで仕事を依頼していただけることの喜びは、徐々に安心に変わっている。食べる、という現実的な目標が落ち着いてきたところで、研究への気合をググっと入れるタイミングになってきた。研究での業績を上げるのは論文執筆であり、学会発表であり、その限られた土俵でどれだけ相撲が取れるのかにかかっている。その土俵の一つである学会発表があと一ヵ月後に迫った。

その発表の時間割が先日送られてきたが、なんと私は7人中7人目、オオトリである。学会後に懇親会があることを考えると、おそらくその日一番聴衆が多い、かもしれない。自然と準備に気合が入る。この学会発表は若手研究者の発表の場を提供するという趣旨によって設けられて今年で四回目。私のような発表の場を求めている者には嬉しい機会である。

博士論文を基に発表をするのだが、論の展開に幅を広げるために、と少し前に『リベラルなナショナリズムとは』(ヤエル・タミール著、夏目書房、2006年)を読み始めた。しかし、アハッド・ハアムがアチャド・ハーム(28)になるなどヘブライ語表記の訳も甘いことにちょっとテンションが下がり、さらに文が難解で主語と述語を見落としてしまうし、全然頭に入ってこない。そこで無理な抵抗は止めて、同時に購入した『他者の権利』(セイラ・ベンハビブ著、法政大学出版局、2006年)を手に取ったのだが、こちらは訳文もすっきりしていてなかなか面白い。

『他者の権利』はAmazon.com「この商品を買った人はこんな商品も買っています」一覧に出ていた言わば『リベラルなナショナリズムとは』のB面として購入したのだが、テキストデータに打ち込みたい文章も多く最近のヒットだ。何より、脳のシワがジワーッと広がるのを感じながら読み進められるのは嬉しい。
近代以降の政治共同体、すなわち現在の国民国家の境界の外側にいる、外国人やよそ者、移民や難民、亡命者といった「他者」に与えられるべき権利について議論しているのだが、それがアンチョコな正議論とは一線を画している点に好感を持てる。

私はイスラエルという政治共同体の境界の内側に新たな"帰還民"を、国民として取り込む過程に最大の関心があるのだが、この『他者の権利』は内側を画定することで浮かび上がる外側についての考え方にヒントを与えてくれるので大きな収穫である。

収穫の秋、読書の秋、漂流博士も研究へ集中の季節である。
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