漂流博士

仕事は仕事、人生は違うところにある。

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アパートとの出会いと、嬉しく寂しい再会

アパートが決まりそうだ。イスラエルに来て三日目に見た物件で、第一印象が抜群によかったテルアビブ市内の一部屋。それから他の部屋もいくつも見たが、その部屋が頭から離れずに仕方がなかったので仲介業者に「興味あり」のサインを提示した。家賃など交渉を進めながら、もう一度家族、それに友人と最後に自分達の部屋になってもいいことを確認をするために改築中の部屋に向かった。

「ここは素晴らしい!」”第三の目”である友人も太鼓判を押し、私たち家族も「やっぱりここがいい」と納得して建物から出ると、私の方に向かって「元気か?」と声をかけるサングラスの男性が一人。私の背後の人に声をかけているものと思いそのまま返事をしなかったのだが、もう一度「元気か?」と明らかに私のほうを向いている。「ほら、東京でホモスを食べたテレビ番組をしただろ」。私は何度かイスラエルのテレビに出た事があって、時々「お前のこと見た」という人に会う。ああ、その手の「元気か?」か、と近づいて握手をする瞬間に「ほら、あのときにディレクターしてたヨアブだよ」と言われてビビ~ン!ときた。確かにあの時のヨアブだ。

三年前の5月。イスラエル人のテレビタレントが80ドルで世界を一周するという番組で日本に来ていたディレクターだった。私はその「猿岩石」のイスラエル版みたいな番組の日本のコーディネートをしたのだが、結局出演まですることになった。タレント、音声、カメラ、ディレクターの男性4人のスタッフに私、という組み合わせで一週間東京で仕事をしたのだ。大声で口げんかもして、言い合いもして、それでも男同士の旅仲間で楽しく番組のできも上々だった思い出の仕事仲間だ。

目の前にいるのはその時に大声出していたディレクターのヨアブだった。が、なぜかあの時の勢いは感じられなかった。「どうしてこんなところにいるんだ?」「仕事なんだよ」「ああそうか」と言うと「ごめん、今親父と一緒にいるから」と、足早にその場を去った。その先には一人目的もなく歩いている高齢の男性の背中が見えて、何ともいえない寂しさを感じてしまった。

テルアビブの市内では高齢者とフィリピン人介護者との組み合わせをよく目にする。イスラエルの、都市部で見られる高齢化の縮図のようでもある。あの時に大声出していたエネルギーいっぱいだったヨアブも、今は日々年を重ねて父親の介護をしている、のだろうか。それは全くの想像でしかないのだが、そこまで話が進む前に目の前を去ってしまった彼の姿から感じたことはそんなことだった。
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