漂流博士

仕事は仕事、人生は違うところにある。

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自分の言葉を取り戻す

自分ではなく他者の言葉を口から発する、そんな非日常的な行為が通訳。1時間半もすると非日常性に頭がモヤッとするのだが、一日、二日、と続けると自分がその他者になった錯覚に陥る。

映画「ジェリーフィッシュ」(来年3月渋谷シネアミューズ公開)の監督エトガー・ケレット氏が来日、二日間彼の言葉に浸かった。イスラエルの売れっ子作家で「イスラエルの村上春樹」、というのはちょっと言い過ぎかもしれないが、ポストモダン的作家としてイスラエルの比較的若い層に支持される作家であることには違いない。

作家との通訳、その響きにケレット氏と会う前はかなり緊張したが実際に会って安心。偏屈でもないし、言葉の一つ一つが丁寧で、本音、また同じ質問にも新しいネタを含める楽しみ方も見せるムードに私もすっかり乗って、ある段階から一心同体のような不思議な時間になった。

二日間を終えた後は、脳のしわがモヤ~と広がりきったような一種の快感。ケレット氏の言葉に支配されてもいるから、もう自分がだれなのかも分からない。

彼に別れを告げた後の昨日は、言葉を発する力も、口を開く力もなく、一日静かに静かに過ごした。クールダウン。徐々に自分の言葉を取り戻し、エトガーケレットではない自分の形をゆっくりゆっくり取り戻しながら、今日の新しい朝を迎えた。関東の冬はいいなぁ。このすばらしい青空、なんと言えばいいんだろう。
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