漂流博士

仕事は仕事、人生は違うところにある。

  

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新聞を入手するタイミングを逸し、30日の一面紹介はできないので、手短に。

先ほどこのアパートのメンテナンスをしているボアズから、今すぐ近くにいるから家に行くけどいいか?と電話が入る。冬になり、暖房が必要になってつけてみると暖かい空気が出なかったり、雨が降るようになって初めて発見できた雨漏りがあったり、洗濯物が乾かないので乾燥機を使おうと思ったら排気口が接続されてなくて壁にはドカンと穴があいてあるのを発見したり、まあ「いわゆる冬の問題」が諸々あるので頼むよ、と先日電話してたのだが、まずは自分の目で見てみたいというので急遽朝8時半ころやってきた。

暖房はリモコンの操作を変えたら暖かな空気が出たので解決、雨漏りは原因を発見、乾燥機の排気口と壁をパイプでつなげることはできなかったものの、とりあえずそのままだけど雨は入らないので大丈夫だろうという判断、と一応諸問題は解決?した。

帰りがけ、「それにしてもさ、オルメルトは二年半で二回の戦争だぞ。(軍人出身の)ラビンもバラクでもなくて、(弁護士出身の)オルメルトが二回だぞ。しかも事態は見ての通り」ともらした。

昨日のテレビを見ていても、政治家は一体どうしたいと言うのか、何が目的なのか、即刻ひいたほうがいいんじゃないのか、という質問に対して、軍関係者が予定通り展開している、進展していると対応するなど、そもそもこの作戦が正しいのか?というムードが漂いつつある。南部の静けさをもたらすのだ、といっても、ロケットは飛び続けているし、距離も伸びている。

一方テレビのニュースとしては、ロケット被害の映像が多く、直接被害に会った人の話、警戒地域内でも「自営業だから休むわけには行かない」と平静を装う人、「ここでは警報がなくて楽しい」と言うテルアビブなどに疎開してきた子どもの話、シェルターや安全室がディスコや倉庫になっていて使い物にならないといった内容が多い。ガザにはメディアが入っていないということもあって、ニュースの「素材」がないのだろう。時に病院やパレスチナ人記者のレポートが入る程度では、ガザの様子はよく分からない。

今頃(31日10時)閣議で今後の展開を議論しているんだろうけど、昨日の新聞でも戦争は終わりを見極めないとひどいことになる調の内容がハアレツなどには多く、大臣の中にも「地上に入ってどうするんだ」と明言している人もいるし、目的があいまいなことが明らかで、第二次レバノン戦争の反省をふまえてどんな結論を導くのかを注意したい。
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12月29日の一面です

昨日、予備役召集の閣議決定がされたので、何人かの友人に「召集されてないよな?」と確認の電話をした。イスラエルは男女とも18歳からそれぞれ3,2年の徴兵期間があって、その後男性は約40歳まで一年間に約35日位は予備役兵として軍に召集される。今回閣議決定された予備役の召集は、その通常予備役とは別に国家が緊急時に召集するものでツァヴ・シモネ(8指令)というより拘束性があるもの。

召集予定者は6700人とも言われているので、友人たちも呼ばれているのではないかと心配したのだが、「まだ今のところここにいるよ」「今メシ食っているところだけど、俺はまだ市民だ」と友人のところには声がかかっていなかった。

以前大学で教えていた時、ある学生がツァヴ・シモネで召集されて試験日に来れないのだけどどうしたらいいか、との相談を受けたことがあった。初めてのことで他の先生と相談し、後日レポート提出するということで穴埋めをすることにした。約一ヵ月後、いつも通りの学生の顔してキャンパスに戻ってきたその学生が数日後に何事もなかったのごとくレポートを提出したのだった。

さて、今日の一面。
ちなみに、報道全体としては、死者やロケット着弾数に加えて、そもそもこの攻撃の最終目標は何なのか、地上戦とは言っても何が目標なのか、ロケット発射停止で十分?それともハマス転覆?それは可能なのか?という議論が徐々に聞こえるようになってきた。大規模作戦開始から三日が経過すると、世論も「来るべき時がきた」という政府説明同調のムードから徐々に離れつつある。誰もが第二次レバノン戦争を引き合いに出すが、これからどうなる?という声は、未だに一日約60発のロケットが着弾している現状をみれば当然だろう。ちなみに、今日は二名(一名はアラブ系イスラエル人)が犠牲になっている。
ということで、紛争時には情報がどんどん古くなるとはいえ、今朝の一面、と思ったのに写真のアップに不具合があるようでできないので、ひとまず文字情報を。


ハアレツ
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写真:ガザ付近で待機する戦車と兵士
大見出し:イスラエル国防軍地上軍をガザ境界に集結;政府は数千人の予備役召集を承認
小見出し:初:アシュドッド周辺(注:ガザから40キロ)にロケット着弾、国防軍はベエルシェバ、ヤブネ住民にロケット攻撃への準備を指示●現時点でパレスチナ人約300名が殺害●政治界は作戦拡大に足踏み

イェディオット・アハロノット
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写真:トンネル破壊で上がる煙、左の小さな写真:(ロケット攻撃から守るために各世帯に設置されている)防御ルームで遊ぶ子ども
大見出し:トンネル破壊(注、エジプトからガザに相当数の密輸トンネルがある)
小見出し:昨日、空軍はハマスの「酸素チューブ」(ガザへの武器密輸トンネルの比喩)を4分間で破壊した;武器密輸の40トンネル●数千人の予備役兵が召集、地上軍はガザ突入に集結●脅威の範囲が拡大:本日ベエルシェバ市民にロケット攻撃の対処方法を指導
なお、ページ上部の赤見出しは、2006年にハマスに拉致されて現在もガザにいるとされるイスラエル兵士が今回の空爆で負傷したとの情報がエジプトで報じられたというもの。結果その情報は誤報であったことが分かったが、この兵士を釈放せよとの政府に対する声は強く発せられている。万一彼に何かが起これば大きな事態の転換点となる。

マアリヴ
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写真:ガザ境界付近の兵士
大見出し:指令準備完了
小見出し:地上作戦、政府は6800名の予備役兵召集を承認。アシュドッドが戦火、ロケット2発がアシュドッド付近に着弾、ガン・ヤブネにも一発。トンネル爆破、武器密輸トンネル40が破壊
なお、ページ下部は、ロケット攻撃下に晒される南部住民が以北に一時避難できるように支援しているNPOに関する広告。避難を希望する南部在住の住民、また、避難する住民の受入れを希望する国内中央部の住民の仲介をしているようです。

三つの祭の祭の写真アップ

先日エントリーした、三つの祭の祭りの写真が船長ブログにアップされたので、そちらも是非。
やっぱり写真でしか伝えられない空気が感じられると思います。

12月28日今日の一面

今や現地で何が起こっているのか、ということはインターネットで新聞、ラジオから日本でもそのまま同じ情報を得ることができる。しかし、その情報がどう人々の口を伝わっているのか、どう耳に入るのか、また、どう目に入るのか、というのは、やっぱりこの場にいないとわからない。特に新聞のレイアウトというのはネット新聞では伝えられない、情報を伝えようとする人の息吹みたいなものを感じることができる。

ということで、私は新聞記者でもないので、情報を伝えるというよりも、情報がどう伝わっているのかをイスラエルの新聞の一面を紹介するということで。日本の新聞がどの辺りを伝えているのかも感じ取れるかもしれません。

ちなみに、英語版のあるサイトは以下の通りです。
ハアレツ紙
Ynet(イェディオット・アハロノット)
また、NHKのような国営のニュースはこちら

以下一面です。新聞をクリックすると大きくなります。

Haaretz
ハアレツ(内容読者層共に左派的とされていて、見かけが高級な新聞であえて買うならこれを選ぶ)
大見出し:国防軍ハマスに対し奇襲攻撃:1967年以来最大の空爆で約100箇所の攻撃対象が崩壊
小見出し:80機がガザを攻撃、少なくともパレスチナ人225名が殺害。報復としてロケット65発が着弾、ネティボットで一名殺害。バラク国防相:今は闘う時であり、作戦はしばらく継続する:ハマス:降伏しない。
写真:ガザの空爆現場

Yediot
イェディオット・アハロノット(発行部数最大の大衆紙で、私には比較的ヘブライ語が読みやすい)
写真:ガザの空爆現場、左下の小さい枠はロケットにおびえるイスラエル人の子ども
左上の地図:ガザからのロケット射程距離(我が家はずっと離れているのでご安心を)
赤の見出し:イスラエル人50万人が戦火
上の小見出し:ガザに奇襲攻撃:ハマス驚愕、パレスチナ人225名殺害●緊迫する中、ネティボット住民一名殺害●国防軍地上戦突入の体制:"これは始まりに過ぎない"


maariv
マアリヴ(イェディオットよりも一歩踏み込んで丁寧な記事が多い点が気に入ってます)
写真:ガザ空爆現場、右上の小さい枠はロケット弾によるイスラエル人犠牲者
赤の大見出し:戦争の返答
下の小見出し:的確な諜報■見誤った行為■そして準備を整えていないハマスに対する空爆■「Cast Lead」作戦開始:ガザ全域における(ハマス)幹部への爆発でパレスチナ人225名殺害■イスラエル南部にロケット50発着弾、

「三つの祭り」の祭り

毎週金曜日発行される映画やお勧めレストランなどの情報が満載の週刊情報誌(テルアビブ版「ぴあ」)をめくっていると、「三つの祭り」の祭りがヤッフォであるというので家族三人で出かけることにした。三つの祭り、とはユダヤ教のハヌカ、キリスト教のクリスマス、そしてイスラム教の犠牲祭。犠牲祭は二週間くらい前に終わっているけど、ハヌカは真っ最中、クリスマスも24日を皮切りに継続中(ロシア正教は1月1日なので)、ということで、三大宗教の祭りを一気に祝おうというもの。祭りが三つ、とは、盆と正月なんかよりも賑やかで楽しそうだ。

ヤッフォは行政上はテルアビブの一部であるものの、アラブ人の街で、イスラム教徒とキリスト教徒から成る。きれいな教会もあれば、モスクもある。ここから車で20分くらいなのに、ビーチや若者が集まるカフェが醸し出す"かる~い"空気のテルアビブとは全く違う異国ムード漂う魅力ある街がヤッフォ。我が家がイスラエルに到着直後から二ヶ月間滞在した思い出の地でもあり、雨も上がり少し日差しも見えたのでミニドライブ気分で出かけた。

ヤッフォのメインストリートが約1キロくらい歩行者天国になり、横にはとうもろこしや綿菓子が並んでいたり、デザイナーがアクセサリーを並べた露天などがあったり、その真ん中をかなりの人が繰り出していて、ムードはフェスティバル!三つの祭り、とはいっても、基本はサンタクロースで、ハヌカの象徴のキャンドルもスフガニヤ(ドーナツ)もなければ、犠牲祭のムードもないので、我が家としては遅くちょっと変わったクリスマスとなったが、想像以上の人と垢抜けたムードで楽しかった。

ヤッフォに出かける直前にガザ空爆のニュースが飛び込む。先週かなりのロケットがガザから発射されイスラエル側に着弾していて、止めなければ攻撃する(そういう繰り返しはこれまで何度もあった)、とのメッセージが政府の中から出ていたので、軍事作戦は時間の問題だとは思ったものの、安息日のしかもこれほどまでの規模はかなり驚いた、というのは私だけではなく社会全体的な反応だと思う。今はハヌカで学校が休みなのだが、家にいてもロケットが飛んできて耐えられない、というガザ周辺に住むイスラエル南部からの訴えは、テルアビブで生活しているとブラウン管越しでしか聞こえないのが正直なところ。ここはロケット砲とも空爆とも無縁の生活が流れている。そういう背景での軍事攻撃に、果たしてどれだけの国民が支持するのだろうか。ちなみに、昨日新聞に出ていた世論調査では大規模攻撃反対が46%で、賛成は40%だった。

テレビのニュースを一通り見ていたが、ガザの惨劇の様子が流れ、ガザからロケットが着弾する街から中継レポートがあり(ヘルメットをつけるわけでもなく)、スタジオではテロ専門家、元軍人、国会議員などがインタビューを受けて状況を説明する、というのが主な構成。こんな時には、どんな報道をするのか興味がある。ほんの一例。キャスターはスタジオに来たゲストにストレートな質問を投げかける。「これほどの規模での攻撃は国際社会からの非難は免れない、それを承知の上での攻撃なのか?」と国会議員に問い、「ロケットを打ち込まれ続け危険に晒された国民を放っておける国はないわけであり、当然国際社会からも理解されるだろう」と議員が答えれば、「でも、実際に国際社会からはすでに厳しい声が上がっているではないですか」「(国際社会の理解を得られるなどと)願いたいものです」とピリリと切り返し、すぐに現場にカメラが移動する。もう一つ、お、と思ったのは、第二次レバノン戦争との比較(改善点)に触れることが結構多かったこと。

夜は放送がないので、明日の朝は6時半からニュース再開。(選挙を2月10日に控えた)タイミング、目的、作戦の期間、ロケット阻止の他の手段、その辺りの議論が中心になるような気がします。

12月24日のイスラエル

昨夜からの暴風雨でガタガタと窓が音を立て、雨が降らなければ思い出せない雨漏りが復活し、今も外ではビュービュー、バチバチと音を立てながら雨が横に打たれている。一年の半分は晴天で、雨季とはいっても晴れが多いこの地で、目にして、耳にする雨は、とっても寂しくさせるものでもあり、ほんの数日なのに空を見上げてああ太陽が恋しいと思わせてみたり、少ない故に特別な力を持っている。

12月に入ってもしばらく暖かな日が続き、「やっと冬」と言えばそれは雨であって、何だか今一盛り上がらないよな~と言いながら、12月も終盤となってくるとビシッと何か〆め、区切りをつけたい衝動に駆られてくる。街はユダヤの祭りハヌカ一色で、クリスマスのクの字が僅かなクリスチャンが住む街に見られる程度では、どうも何かが違う。

ニュースはライブでネットで入手ができて、スカイプ使えば無料で両親や友人と話ができて、日本食は、あれちょっと違うなこれ、とはいいつつも何とか最低限は我慢できる、という今のイスラエルで、日本から来た人に「今一番欲しいものは?」と聞けば、案外クリスマスのあの街の雰囲気と、その後に突如転げ落ちるようにやってくる年の瀬の雰囲気なのかもしれないと思う。聖地イスラエル、イエス誕生の地で日本のクリスマスを懐かしむ、などと日本にいたら想像しがたいが、結構そういうことってあるような気がする。

インターネットのサイトを見ればサンタが踊り、紅白出演者、今年の10大何とか、といった文字を目にしても、実際にその空気に触れていないと、自分たちの今の生活とは全く関係のなくかけ離れたもの、というのも結構不思議だ。今年の5月中旬まではその空間にいたというのに、半年そこらで時間の流れや空気みたいなものから簡単に切り離されるのだ。

昨年サンタさんに手紙を書いた娘が、今年はハヌカの歌を歌って、スフガニヤを新しい友達と一緒に食べて喜んでいる。ドップリと、全く本人の意思に反して飛び込まされた言葉も分からぬ新しい地で、文句も言わずに毎朝ニコニコと幼稚園に通う娘から学ぶものは多い、と、久しぶりのブログを書きながら行き着いた予期せぬ最後に我ながら驚きつつ。
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